天才+変人+美声+メガネ

本日のメガネ男子39人目。
ドラマ「SHERLOCK」でおなじみ、ベネディクト・カンバーバッチ

シャーロック・ホームズ、ドラマ「Hawking」でのホーキング博士、最新作「イミテーション・ゲーム」でのアラン・チューリングと一癖も二癖もある天才役が非常に似合う役者さんです。

彼の演じた役では個人的には、ダニー・ボイル演出の舞台劇「フランケンシュタイン」の怪物が素晴しかったです。
この舞台では、ジョニー・リー・ミラーとカンバーバッチが一日交替で怪物とフランケンシュタイン博士を演じるのですが、カンバ―バッチの演じる怪物は生まれおちた時から見た目だけでなく精神も異形だというのがわかる、凄味を感じさせました。
 ジョニー・リー・ミラーの演じる怪物は純真な心とすぐれた知能を持ちながら、醜さゆえに迫害され、心が歪むというその流れが自然で説得力があり、こちらが好きだという方も多いのではないかと思うのですが、クライマックスの被創造物が創造者を超越するというカタルシスが感じられないのです。

 逆に、カンバーバッチ演じる博士ですが、これは(見る前からわかってましたが)見事にはまり役。
だって、研究のために神の領域を侵犯するマッドサイエンティストなのですもの。
 同じ役柄ですが、ジョニー・リー・ミラー演じる博士は非常に責任感があって善良な主人公らしい人物。この主人公が怪物を追うという流れは観客の共感を得やすいと思います。ただ、「母親の死があったにしても、なぜこんな良い人が神の領域を侵そうとするのか」という疑問が残るのですが。
 この二人の演技の違いとして、劇中で婚約者に研究に夢中になって私のことに興味などないのでしょうと言われ、「いや、君は美しい」とフォローする場面があるのですが、そこでジョニー・リー・ミラーの博士は婚約者を抱きしめて目を見て言うのに対し、カンバーバッチの博士は「いや、君は……美しい」と間をあけます。この「君は」のあと、彼女の腕を取って、その曲線をじっと観察するのです。お前今絶対研究のこと考えてただろ!と丸わかりな感じがよかったです。