枕草子いろいろ

中国語版Twitter、微博にこんな記述があった。

枕草子》第一段起首四句,
周作人訳:“春天是破暁的時候[最好]。”“夏天是夜里[最好]。”“秋天是傍晩[最好]。”“冬天是早晨[最好]。”
林文月訳:“春,曙為最。”“夏則夜。”“秋則黄昏。”“冬則晨朝。”
于雷訳:“春天黎明最美。”“夏季夜色迷人。”“秋光最是薄暮。”“冬景尽在清晨”

林文月は渡口書店をのぞいた時に本が平積みになっていて、
そのキャッチ「源氏物語の史上最高の翻訳者」が気になっていた。

国語の授業で教わった現代語訳に一番近いのは周作人の訳だと思うが、
清少納言のあの切れ味のいい文体が一番出ているのは林文月の訳だと思う。
于雷の訳は綺麗だけど、少し補いすぎているような気が。

後で調べたところ、林文月は小学校までを上海の日本租界で過ごし、教育も全て日本語で受けていたそうだ。
日本語の古文は文法が正確なのももちろんだが、季節感などの感覚的なものが理解できないと
正確なニュアンスを伝えることが難しいので、さもありなんと思う。
その後、国共内戦のあと一家揃って(なにせ国民党元党首、連戦のいとこなのだ)台湾に移るのだが、
中国語での随筆では「洛陽伽藍記」や「浮生六記」など中国の古典の文体模写で日常を綴る、
なんていう離れ業もやっているらしい。

どこまで理解できるか分からないが、著書を紐解いてみようかな、と思った次第。